MSW(医療ソーシャルワーカー)とは、Medical Social Worker(メディカルソーシャルワーカー)の略です。社会福祉士や精神保健福祉士という国家資格を持っている病院の相談員です。病院の中の「地域連携室」や「医療福祉相談室」あるいは「地域医療連携課」等と呼ばれる所に所属しています。この呼び名は病院によって違います。実際の現場では、さらに略して「MSさん」と呼ばれます。簡単に言えば、MSWとは福祉・医療に関係する法律や制度のエキスパートです。
MSWが所属する地域連携室等は、前方支援と後方支援の2つに分かれています。前方支援とは、病院に入ってくる人への支援、つまり入院前の患者や家族への面談、他病院からの入院や転院の申し込みや受診予約の受け入れなどを行います。つまり、前方支援は、外部からの相談に対応する仕事です。後方支援は、病院から出ていく人への支援です。退院後の生活のためにケアマネや地域と連携を取ること、退院後の受診予約を取る、病院内で急変した患者を治療するため他病院と連携したりするのが仕事です。簡単に言えば、入院中の患者の対応が後方支援です。ただし、勤める病院によって仕事内容は多少変わります。患者や家族からの相談を聞くことは、どの病院に勤めるMSWも共通して行う仕事です。相談を受けた後は、医師やリハビリスタッフと連携して入院の受け入れ態勢を整えたり、今後の生活像を提案したり、地域と連携して患者と家族を支える環境を整えたり、使える制度を提示したりします。